地元の一大ニュースとなりましたが、八十二銀行と長野銀行が2023年6月を目途に経営統合して、長野銀行が八十二銀行の完全子会社となります。長野銀行は上場廃止となり、また長野県内では唯一の地方銀行となります。県内でのシェアは6割超ということで圧倒的な独占状態となります。

松本市にある八十二銀行と長野銀行のビル

都市銀行の経営統合がある程度落ち着いてきたと思いきや、統合の波は地方都市にまで及ぶようになってきました。昨年は福井銀行も地場の地銀を子会社化しましたが、今後もこのようなニュースが増えてくるのでしょう。

自身も損害保険業界に10年近く在籍いたしましたが、入社時には20~30社あったのがどんどんと経営統合されて、今では当時の社名が残っているのは大手2社くらいなもので、あとはネット専門会社が台頭しているような状況です。当時は本社ビルの大きさも入社のひとつの基準にしていたような記憶もありますが、もうそんな時代ではないのですね。

自身が在籍していた会社にも統合の波がやってきましたが、経営統合に関する情報は内部情報なので当然、社員が事前に知る由もなく、当時も朝刊を見たりニュースで知ったり、あるいは出社して知ったというような状況でした。自身も含めて若手社員はあまり重く受け止めていた様子はなかったですが、管理職クラスの社員は2人といる必要もない立場なので、追いやられるのではと戦々恐々としていたような感じでしたね。

当時の直属の上司はスパッと早期退職をして、八ヶ岳でペンション経営をすると言って退職していきました。そう考えると経営統合というのは、経営体制を盤石にするという表向きの理由もありますが、実際のところは体の良いリストラといった側面も否めません。特に子会社となる会社の社員は、統合を機会に転職や退職を真剣に考えるようになるのではないでしょうか。