土地の境界立会いでは様々な出来事があるものです。比較的新しい分譲地では境界の標がしっかり確認できますので、それほど揉めたり難航したりすることは少ないかと思いますが、昔からの住宅地内での境界確認では確固たる標がないケースも多く、公図などの昔の古い地図を参考に確認作業を行う事になります。

新しい道が出来る前は歩行道として利用していた畦道
新しい道が出来る前は歩行道として利用していた畦道

先日の境界立会いにおいては、公図上は水路しかないのですが、お一方から、昔から地元の人が歩いて通っていた道があるからしっかりと通行幅を確保してほしいというお話になりました。公図が示す現実問題としては水路と土揚げ場を合わせた60cmほどの幅しかございません。

公図上も道路や赤線(昔は道)ではないので、水路の両サイドの私有地と併せて通行利用していたことになります。ずっと畑やお庭になっている部分でしたので、ご厚意で利用させていただいていたのでしょう。現在は近くに新しい道が出来たので、ご近所方はそちらを利用している状態です。

昔から道として利用してきたのは事実で、使えなくなることを受け入れられないお気持ちはお察しいたしますが、現在は利用している方もなく、今後は住宅用地として生まれ変わるのでどうすることもできないことをご説明しても、なかなかご納得いただけませんでした。

そんな折、地元の町会長さんからご連絡がありました。事前にご挨拶にうかがっていたのでご連絡をいただくことができました。どうも直接ご相談に行かれたようでしたので、すぐさまご訪問させていただき、状況をご説明したところご理解をいただくことができました。

その後は無事にご納得されたということをお聞きしてひと安心しました。町会長さんにご協力いただくなんてことは考えておりませんでしたが、とても頼りがいのあるお方で、また何かあったら相談にのるとまで言っていただきました。

町会にまた新しい世帯が入ってきますので、今後ともよろしくお願いいたします。この度は本当にありがとうございました。