不動産の売却価格には大きく分けて、一般市場で購入者を探す「仲介価格」、不動産会社等が商品として買い取る「買取価格」、そして3つ目の価格というのが、物件に対して売主様の気持ちや思い出が詰まったいわゆる「思い入れ価格」とでも言える価格があります。

思い入れ価格、仲介価格、買取価格

最も一般的な売却価格は仲介価格です。多くの一括査定会社もこの仲介価格での査定となります。一般市場で売却活動をする際の価格ですので、SUUMOやアットホームと言ったポータルサイトに掲載されている価格はこの仲介価格ということになります。

買取価格というのは文字通り、不動産会社等が売主から直接購入する価格です。こちらについては会社によって方針や考え方が異なりますので、価格に差が出ることがほとんどです。利益最優先の会社であれば当然に買取りする価格も低くなる傾向にあります。大手の会社ほど様々な運営経費がかかっていますので相応の利益を確保しなければいけない状況にあると言えます。

不動産会社などは買い取った不動産を転売しますので、当然利益は確保しなければなりませんが、市場での売却価格の設定によってはより高値での買取りも期待できますので、一概には利益の多少だけでは買取価格が低くなる事由にはなりません。買取査定の際には地元の会社等にも依頼しながら比較検討するのがよいでしょう。

そして思い入れ価格という表現を使いましたが、例えば新築当時に相当こだわった間取りにしたり高価な建材を使ってみたりとかなりお金をかけた本人の拘りが詰まった家などもそうですが、中古住宅として売却する際には、あまり価格に反映されないのが実情です。拘りの感覚がぴったりという買主がいれば別ですが、それでも思ったほど高値で売却できるケースは少ないと思います。

中古住宅を検討されている多くの方は価格重視です。いくらこだわりの家であってもそのまま価格に反映されているような価格だと魅力を感じないものです。立地や周辺環境が理想的であれば多少の高値は付くかと思いますが、売主の希望価格には届かないでしょう。

思い入れ価格で売り出すのは自由ですが、結局は不動産会社と相談しながら現実味のある価格との差を念頭に時間をかけて売却していくということになるでしょう。