宅建業法45条には宅建業者の守秘義務、秘密を守る義務が定められています。取引業務上知り得た個人情報を他に漏らしてはいけないというのが趣旨ですが、これに違反して業務停止等の処分を受けたという事例は経験上これまで聞いたことはございません。

個人情報を扱う人のイラスト

不動産売買の取引においては、個人の住所氏名や連絡先にとどまらず、職業や収入および借金の有無、場合によっては資産状況といった踏み込んだことまでお聞きする場面もございます。守秘義務について説明することはございませんが、当然ながら厳重に管理することになります。

高額な商品が絡むこともあり、ご相談者の方々には何気なく個人情報をお話しいただいておりますが、よく考えたらとても恐ろしいことです。この時代ネットで誤って漏洩でもしてしまえば信用は台無し一巻の終わりを迎えることも想像できます。

業務上知り得たことに限られるのでたまたま知ったような情報は範疇ではございませんが、それでも道義的に漏洩するということは好ましくはないでしょう。業務経験が長いとおかげ様でそこら辺のコントロールは感覚的に行っているような気がします。

個人情報は個人を特定できる情報や個人しか知り得ない情報ですが、これらを漏らすと個人情報保護法違反ということになります。守秘義務は基本的にはその人が知られたくないような事柄を漏らすと違反になると考えられますので、携帯番号ひとつでも必ず承諾を得てから取次ぎいたします。

例えば、離婚されたご夫婦の自宅の売却のお手伝いをするようなケースではとても慎重な対応が求められます。お互いに知られたくないような事が多い中で、うかつに相手側のことをお話ししてしまうと大問題になりかねませんので余計なことは聞かないほうが得策でしょう。

一方、裁判などで法的に秘密事項を告げる義務がある場合、取引の相手方に真実を告げなければならない場合(告知義務)、依頼者本人の承諾があった場合などは正当な理由があるということで秘密を漏らしてもよいということになっています。

高額な商品である不動産を取り扱う場合は特に慎重な言動や行動が求められます。ひとつの漏洩が大問題になれば多額の損失を被らせてしまうリスクは常にあります。ある程度の経験があってもここは気を緩めないで業務に専念していきたいと思います。