ひと昔前はお隣さんとの目隠しと言えばブロック塀、古い団地を見ているとほとんどの家にブロック塀があります。しかもお隣同士の境界線上に立っていて共有になっている団地も多く、共有状態でずっとそのまま手つかずで今にも崩れそうな危険なブロック塀も時々目にします。

越境しているブロック塀の写真

以前に通学路沿いのブロック塀が倒壊して小学生が亡くなるという痛ましい事故がありましたが、そもそも高さが3.5mもあったブロック塀に、設置が義務付けられていた控え壁という補強材を設けていなかったというのですからこれはもはや事件です。

現在の建築基準法では高さ2.2m以下にすること、壁の厚さは15㎝以上、9㎜以上の鉄筋を配置することなど安全性の確保のためにきめ細かく基準が定められていますが、その昔は補強材はおろか鉄筋すら配置されていなかったものもあったのでしょう。

松本市にある弊社分譲地にも古いブロック塀がありました。境界標はブロック塀の中心にあったので昔ながらの共有状態と考えられましたが、当時のお隣さん同士で一方の所有という共通認識でしたので、境界確定測量の際にお隣さんの所有ということで合意いたしました。

その後に建物を解体したところ、そのブロック塀の基礎の一部がこちら側にはみ出ていることが発覚いたしました。境界線を越えて侵入しているので法律上は撤去や移設等の対応を請求することは可能ですが、危険な状態でもなく建物建築に支障もないので現実的ではありません。

お隣さんの建物は共同住宅で満室状態、県外にいる所有者に連絡をして状況を説明した上で相談しましたが建物取壊しの予定もなく、撤去や移設は難しいということで、今回は越境状態の事実確認と将来的に機会を見て対処をお約束する内容の覚書という形で対応することとなりました。

覚書を交わして今現在の当事者同士で了承していても、将来的に代替わりとなれば紛争に発展することもあり得ます。覚書も契約書と同様の法的拘束力を持ちますが、紛失したり場合によっては破棄してしまうことも十分に考えられます。

今回は販売用土地のため間もなく第三者に所有権が移りますので、覚書と平行して、越境している部分の土地をブロック塀に沿って細長く分けて弊社所有のままにしておいて、その後に隣接者に取得していただく方法も検討して参りたいと思います。