松本市は、国が毎年発表している公示地価がここ数年上昇傾向にあります。公的価格には国が調査した公示地価、都道府県が調査した基準地価の2種類がありますが、いづれも一般的な土地売買の指標や公共工事の取得価格の指標となっている価格です。

松本市地価

指標となる公的価格が上昇しているからと言って、個別性の強い不動産取引の価格には直接的な影響は少なく、最終的には市場や個人間の需要と供給によって価格が決定します。取引の現場でも公的な価格に触れることはほとんどなく、周辺相場を目安にするケースがほとんどです。

不動産会社が査定価格を算出する際にはひとつの指標として算入することはありますが、それでも最終的には周辺相場との調整を行って算出します。結果、公的価格とほぼ一致するケースもあったり大きく上下に振れることもあります。

一般市場ではなく、親子や知人同士等の間で取引する個人間売買の際には、あまりも安価だと適正な価格との差額に贈与税が課される可能性がありますので、その適正な価格を算出する際に公示地価等の公的な価格を指標にして価格を決めるということはございます。

上昇気運ではあるので、松本市も市街地を中心に土地の販売価格が高騰しています。特に不動産会社等の業者が造成して販売する土地の価格の上昇が目立ちます。これは明らかに取得価格や工事価格が上昇している影響だと思われますが、感覚的にはここ数年で1~2割程度上昇しています。

弊社でもいくつか分譲させていただいておりますが、建物の解体工事から始まって、設備工事、造成工事、測量費用や広告宣伝費等すべてにおいて価格が上がっています。もともと松本市は設備工事の公的負担がございませんので、負担のある行政の2倍近くの工事費用がかかります。

解体工事ではアスベスト調査が厳格化されて、毎度費用を払って検体を採取してはその結果次第では工事費がさらに高騰します。造成工事では人件費はもちろんコンクリート製品や生コンも価格が上昇していて、業者さんからも毎度事前報告を受けるような状況です。

建築価格は高騰を続け、金利も固定変動ともに上昇傾向にあります。土地の価格も当面は下がることは考えにくいので、特に注文住宅を検討されている方は、それでもまだ低い金利を活用して、しっかりと返済計画を立てるようにしましょう。