敷地内に入るまでに通路がある土地は特に都心部では多く存在しますが、松本市内でも散見されます。そのような土地は敷地延長土地や宅地延長土地と言われ、旗竿のような形をしていることから広告では旗竿地という表現で掲載されていたりもします。
敷地が建築基準法の道路に2m以上接していないと建物が建築できませんので、通路部分の幅が2m以上ないといけないことになります。接道義務と言われますが、通路の途中どこかの部分で2mを下回っていても建築許可は下りません。
敷地の名義と通路部分の名義が同一のケースがほとんどですが、通路部分の名義が異なったりあるいは隣接者などと共有になっているケースもありますが、建築許可を受けるには所有状態にかかわらず接道義務を満たしていれば申請して許可を得ることができます。
建築許可は接道義務に則って有効に道路に接しているかどうかの判断のみですが、現実問題としては他人と共有している状態の通路だといつ利用できなくなるか分かりませんし、所有者が変われば通行料として使用料を請求される可能性も否定できません。
また市街化調整区域にある土地だと、建築許可と併せて調整区域で建築可能な建物であることの証明書(60条証明)を求められますので、その際には所有者の確認も必要となり、他人名義や共有名義になっている場合には通路利用することに対しての関係者の同意書も必要になってきます。
旗竿地は車通りの多い道路から少し奥まっているため、騒音が緩和されたり小さいお子様が道路に飛び出すリスクも低くなるなどのメリットや、通路部分を駐車スペースとして利用できれば敷地を有効活用することができ、あながち敬遠するものでもないかとは思います。
また価格的にも道路沿いの土地相場価格よりも安くなっていることが多く購入する側には最大のメリットと言えるでしょう。一方売却する側からすると、よほど好立地好条件でもなければ査定価格は相場の2~3割程度低くなることが想定されます。
査定価格はあくまでも売れるであろう一般的な価格であることが多いので、立地条件が限りなく理想に近い方であれば、旗竿地であることの不利を感じることなくそれなりの価格で売却できる可能性もありますので、売却価格については不動産会社としっかり相談して決めるようにしましょう。