公共マスというのは各家庭や事業所などから排出される汚水を下水道に接続するために必要な設備です。最近の分譲地等では塩化ビニール製のものが多いですが、古い団地等ではコンクリート製の大きなマスが隣地と共用されているのをよく見かけます。

公道等との境界から1メートル以内の宅地に設置して市が管理するものです。公共物にもかかわらず、破損等により補修交換する際には、利用している方の自費で対応するのが松本市でも原則となっています。ちなみに下水道本管までの引込管の不具合については公費で対応します。
通常は1敷地1設備ですが、松本市でも古くからの団地ではお隣さんとの境界線上にあって共用状態になっているのを見かけます。公共物なので共用状態でも問題なく利用できている間は良いですが、補修や交換となった際には共用者で費用負担等について話し合う必要があります。
老朽化による交換ということで互いが了承すれば、その機会に個別に各々の費用で新設する方が良いかとは思いますが、いづれかの不注意により破損した場合は補修するのか新たに個別に設置するのか十分な話し合いが必要でしょう。
公共マスを交換する場合の費用は数万円だと思いますが、各々が新設するとなると本管から各々の引込管を新設する工事も必要となりますので、マスの位置や配管の深さにもよりますが、60~80万円程度の費用が必要かと思います。残念ながら行政からの補助金等もございません。
不足の高額出費となると躊躇してしまいますが、将来に不安を残さないように、交換等する機会がくれば各々で新設する方が望ましいでしょう。共用者で相談して同時に施行するなどしてなるべく費用を抑える方法を検討することをおすすめいたします。
昨今は全国各地で上下水道管の老朽化による事故が多発しています。道路が陥没して犠牲者まで出る始末です。特に交通量の多い交差点等では近い将来に陥没するかもしれないという見えない恐怖が続くものと思われます。
松本市でも古い配管から順に「老朽給水管改良事業」として継続的に取替えを実施していますが、想定以上の費用が重なっているようですので、今後は水道料金がさらに上昇することが予測されることを考えると引き続き節水意識を継続するほかないですね。