前所有者が居住中の不動産を弊社で買取りさせていただきました。建物を取り壊して更地にて販売する予定でしたので、前所有者の方には一定期日までに退去いただくこと、残置物に関しては必要なものは持ち出していただき後は弊社で処分させていただくということで合意いたしました。

ご高齢ということもあり、ある程度時間に余裕を持って新居をお探しいただくことになりましたが、当初は親戚筋や知人を頼って探すということで、弊社では特にご協力することもなく新居が決まったというご連絡をお待ちしているところでした。
お子様たちは皆家庭を持って遠方にいらっしゃるので、奥様の生家のある地域の親戚筋を頼るというお話でした。ところがその後期待していた通りに事が進まず、新たに賃貸物件を探そうというお話になり、弊社にもご相談がありました。
最近は少子高齢化が進み、以前より賃貸物件の高齢者に対する門戸が広がっているとは聞きますが、それは主に都心部の傾向であって地方都市ではまだまだ高齢者の入居をためらうオーナーが多いと聞きますので、多少の不安を抱えて物件探しの協力をすることとなりました。
解体工事の着工まであまり時間がなかったので、とりあえずは確実に入居できそうなマンスリーマンションに問合せしたところ、保証人不要で年齢制限はなかったものの、今は9割以上の物件がスマホ対応の施錠システムとなっていて、ガラケー利用者には選択肢が見つからず断念することになりました。
通常の賃貸物件で年齢制限がない物件にいくつか目ぼしをつけて情報を取得しました。そんな中でも申込から契約までをスマホからのWEB対応のみとなっている案件は除外となり、すぐに駆け付けられる若年世帯の親族がいればという条件も満たせずにかなり絞られる結果となりました。
最終的には親族から身元引受承諾書があれば入居可能という物件にたどり着きましたが、あまり選択肢がないことは想定していたものの、それでも家賃や間取りは許容範囲内ということでお決めいただくこととなりました。
車の運転も現役で頭もしっかりしているものの、高齢者というだけで門戸が狭いという実情をあらためて感じた次第です。今回はたまたま売却した不動産所得もあり預貯金に多少余裕があったことも大きかったかとは思います。
これからの時代、AI技術が進歩して賃貸住宅にお住まいの高齢者の見守り対策が進んでいけば、身寄りのない高齢者も安心して入居できる物件が増えていくことに期待したいところです。