民法では、建物を建てる場合には、隣地との境界から50㎝以上離さなければならないとされています。

50㎝ってけっこう近接していますよね。通常は1m以上は離すケースが多いかと思います。

住宅同士の隙間
▓どの部分が50㎝以上なければいけないのか

50㎝というのは、建物外壁からお隣との境界線までの最短距離を言います。

屋根や軒からの距離ではありませんので、それほど問題にはならなさそうですが、外壁が50㎝程しか離れていないと、屋根が境界線を越えないかは十分に注意する必要がありますね。

市街地等で時々、お隣さんとぴったりくっついているような建物を見かけたりしますが、あれは防火地域や準防火地域に指定されている地域で、外壁が耐火(燃えにくい)構造のものになっている建物については、その外壁を隣地境界線に接して設けることができるという、建築基準法の規定が定められているためです。

松本市においては、駅周辺や松本城周辺がそういった地域に指定されています。

▓いくら規定通りに離隔していても、もめる時はもめますが・・・

以前に、そういった隣接者との離隔について、もめてしまったことがありました。

お互いの建物はもちろん、民法建築基準法の規定はクリアしていたのですが、お隣さんのカーポートの屋根からが落ちてくるということで相談に来られました。

雪止めを設置するなどの対策をカーポートの所有者に相談いたしましたが、聞く耳を持ってもらえずに結局、簡易的な雪止め用の柵を造って、安全には十分注意するようにということで対応いたしました。

しかし、後になって逆に、境界から1m以内の範囲にあるには目隠しをする義務があると言われました。

確かに民法に規定はされていますが、こちらからは壁しか見えない窓なのに、腹いせだったのか良く調べたものだなと思いましたね。何だか逆に気の毒に思えてきたほどでしたが、間もなくして、この件が原因とは思えませんでしたが、お引越しされていきました。

建物そのものの配置もそうですが、窓や外構工事にも、多少は気を遣って計画するに越したことはないですね。