国土交通省は、過去に入居者が死亡したなどのいわゆる「事故物件」について、告知事項の範囲や対象などをまとめたガイドラインの案を公表しました。

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📖 告知すべき内容とはどんなものなのか

原則として告知すべき事象としては、居住用物件で、過去にあった他殺、自殺、事故死が起きた場合です。

こういった事象は、これから住居を借りる人や買う人が、契約するかの判断に重要な影響を及ぼす可能性があるとしていますので、宅建業者は調査を行って、判明した事実を告げるべきなのです。

また、原因が明らかではない死が生じていた場合も同様に告知説明するべきとしています。

一方、これまでは告知されていた、老衰や持病による病死などの自然死については、自宅においての死因の9割以上を占めるということもあり、告知する必要はないと明記されました。

転落や転倒、誤嚥などの日常生活中の不慮の事故についても自然死同様に扱うとされています。

ただ、孤独死によって長期間放置されたことによる臭気や害虫が発生し、特殊な清掃が行われた場合は告知するべきと示されています。

📖 告知が必要な期間はどのくらいなのか

これまでは告知事項を告げるべき期間についての明確なルールはなく、入居者が1回入ればOKなどとも言われていました。誰かを短期間でも入居させれば、告知義務がないということです。

今回のガイドラインの案の中では、賃貸物件においては、他殺や自殺、事故死などが発生した場合は、その発生からおおむね3年間は借りる人に対して、これらを告げるべきと明記されました。

孤独死の発生による特殊清掃が入った場合も、同じくおおむね3年間は告知するべきとしています。

ただし、売買物件に関しては、3年間などの期間の定めは設けられていません。宅建業者が現地調査を行い判明した事象について、買主に告げることとするに留められています。

賃貸のオーナーさんにとっては、自然死等が告知義務が不要になることによって、募集しづらかった物件も入居がつけやすくなるでしょう。

売買物件についてはこれまで通り、調査した結果をしっかり説明するというスタンスを継続することが大切ですね。機会があればまた私の実体験をお話したいと思います。