とある土地の購入を検討している方からご相談を受けて、まずは所有者さんにご挨拶にうかがいましたがご不在のため、名刺に要件をメモ書きにして日をあらためることにしました。

とてものどかな場所ですが、近隣でも新築住宅の建築が始まっていて、郊外の閑静な住宅地といった雰囲気のある場所です。

松本市内の田んぼの写真
松本市内の畑の地図
🌾市街化区域にある田んぼということで調査

市街化区域に対して、市街化調整区域であれば基本的には建築ができない区域ですので、地目が宅地にでもなっていない限り、調査をすすめるまでもなく断念することが多いですが、市街化区域にあって近隣では新築建売住宅の販売中でしたので、住宅建築には問題ないと判断して、調査を始めました。

念のため役所に赴いて、都市計画、道路、地区計画などを調査しながら問題のないことを確認します。

上下水道関係も役所で調べられると良いのですが、こちらについては松本ICの出入口目前にある、上下水道局に赴きます。すると、敷地の前の道路に上下水道の本管が通っていなかったのです。

改めて現地に赴くと、確かにマンホールも少し先にあるだけで、敷地の前には引込みのための工事をした形跡もございませんでした。

道路は松本市の市道に認定されていますが、本管の布設工事の時に田畑としての継続利用が見込まれるということで、途中までしか配管しなかったのです。

👷本管を新たに延長する方法もありますが

市街化区域ですので、畑となっている現在の地目の変更の届出を行えば、住宅建築は可能ではありますが、上下水道が使えない状態での建築は当然現実的ではありません。水道は井戸、下水は浄化槽という方法しか考えられませんが、まずありえない方法です。

上下水道局の担当者と相談したところ、今のところ延長する予定もないので、自営(自費)での工事をお願いするとのことでした。

通常はもちろん計画地域であれば、公益に資する整備ということで公費をもって工事を行うのですが、個人的な利用による工事となるとそういうわけには参りません。

近くにある本管から延長する工事は可能ではありますが、費用が〇百万~と想定されます。これから住宅建築を検討している方がそんな費用を想定しているはずもなく、今回は断念という結果になりました。

現状が田畑になっていたり、近くにマンホールがなかったり、敷地に沿って大きめの側溝がある場合などには本管の有無を確認するようにしましょう。