以前に勤めていた会社での出来事ですが、相続された一般住宅の買取査定の依頼をいただきました。

長野市の物件でしたが、ご親族は皆さん塩尻市と茅野市ということで管理もままならないので、あまり時間をかけずに売却したいというご依頼でした。

H.I.C不動産が査定で使う宅地条件格差表
🏠買取り査定と仲介査定の説明から

査定額を提示されると、もうその価格で売れるような気持ちになるのもわかります。そうそう不動産を売る機会などないので、ほとんどの方は相場感などなく、提示された金額で確実に売れると考えます。

もちろん、査定額というものは本来、売却可能な金額を提示することが前提です。

買取査定の場合は、業者が買って手入れをして再度販売しますので、改修費用や利益を見込まなくてはいけないため、なるべく安く買いたいというのが業者の本音ですが、あまりにも低価格だとさすがに合意に至りません。

仲介査定の場合は、一般市場の方々に向けて販売するので、なるべく高く売りたいというのが売主さんの本音でしょう。しかし、他の同様の物件に比べてあまりにも高額だと相手にされないということになります。

よく言う、買主は1人いれば良いのですが、その1人も巡り合えない結果となってしまいます。

そのあたりを説明させていただきながら、買取査定の依頼ということで、合意に向けて査定書を提出させていただきました。

🏠他社で検討されましたが結果は

同業他社さんにも査定依頼をされていましたが、そちらで検討したいというご連絡がありました。もう少し高額で買い取るようなお話だったのでしょう。

またご縁があればということで一旦終えましたが、1週間ほどしてまたご連絡がありました。内容はやはりこちらで買取りをしていただきたいということでした。

現地に出向いてお話をお聞きしたところ、他社さんからの最終提案が、汚れたり傷んだところを売主側で補修して市場で高く売りましょうという内容だったそうです。何だか話がすり替わってしまって、信用ができないということでした。

詳しいことは分かりませんが、様子をうかがっている感じでは、何となく業者の都合で仲介での高額売却を強いられたようなお話だったのでしょう。

結果、当初の希望通り買取りにて、多少の上乗せをさせていただき合意に至る結果となりました。

仲介で一般市場に出せば、十分に買取り価格より高額で売却できるような物件でしたが、売主さんのあまり時間をかけずにという希望に沿った形でのご縁があってよかったと思います。

その後、松本市の会社に勤務となったのも何だかご縁のようなものを感じる次第でした。