数年前、主に仲介業務を担当していた頃の出来事です。

詳しくは言えませんが、迷惑な息子の借金のために、真面目な父親が返済に行き詰って、誠に残ながら自宅の居間にて自害してしまった中古住宅の売却を依頼されました。

オニヤンマと炭団

迷惑な息子でもわが子であり、また相続人でもあります。中古住宅の売主となりますので、現地にて残置物の確認などのためにお会いすることになりました。

彼女?を連れて何食わぬ顔で来たことに違和感はありましたが、玄関を開けた瞬間のことでした。大きなオニヤンマが入ってきて2~3周回して出ていきました。冬場だったのですが、なぜトンボ?しかもかなり大きなオニヤンマ、とても奇妙で不思議な感じでした。

さらに家の周りの残置物を確認していた際には、何か炭の塊のような物が、空から2つ落ちてきたのです。恐らく屋根から落ちてきたものだとは思いましたが、火の気もない寒い冬の空から急に落ちてきたものですから、何か背筋が寒くなったのを思い出します。

当時の先輩にも話しましたが、考え過ぎではということで収めることにしました。

その後、当時おうち探しのお手伝いをさせていただいていた、中国籍のご家族への売却が決まりました。もちろん重要事項として売却理由を説明いたしましたが、お国柄と言いますか、価格が安いのが魅力ということで躊躇なく購入を決められました。

物件自体は築後20年程度の4LDK和風住宅でとても気に入っておられました。物件周辺にはムカデがよく出るというご近所情報にも臆することなく気持ちよくご購入いただきました。

お国柄もそうですが、色々な事情が気にならなければ、とてもお買い得な物件に巡り合えるものだと感じたものでした。その後は2倍以上の価格で知人にご売却されてというお話も聞きましたが、これまた良い物件だったということなのでしょう。