停止条件付の売買契約というのは、将来発生するかどうか分からない事実が成就するのを条件に売買契約が成立するという特約付きの契約で、例えば、近い将来に結婚したときに売買契約の効力が生じるといったような状態ですが、代表的な特約に、特定の会社と建築請負契約を締結した時に売買契約の効力が生じる、建築条件付き土地の売買契約があります。

寿司屋と夫婦引越しのイラスト

中古住宅を探している初老のご夫婦から、息子夫婦と一緒に住める大きめの住宅を探しているというご相談を受けていた時の体験談です。

息子は40代の独身で、将来的に現れるかもしれない奥様を想定しながらの物件探しです。現実的には息子の結婚を停止条件とするようなことはございませんでしたが、間もなくして築20年の6LDK和風住宅をご紹介することができました。

立地や間取りは希望通りではなかったですが、二世帯同居という目的を優先して購入のお申込みをいただきました。ところが・・・やはり息子にご縁があってから探そうということになり、一旦キャンセルとなりました。

家も結婚も「ご縁」だと言います。両方を同時に叶えるのはとても難しいことをお伝えしました。

とは言え気になっていた私は、良い意味でお節介な知人に相談したところ、会わせたい女性がいるとのこと。その後、私とその知人、息子と知人紹介の女性の4人でお寿司を食べに行きました。想像以上にお話しが盛り上がり、スナックでカラオケにまで行ったのを思い出します。

そして何と!お二人はお付き合いをすることになりました。その後、中古住宅のご成約となり、息子のご両親からは仲人のお願いまでありました。さすがに仲人はお断りして、中古住宅の仲介だけのお手伝いをして無事、二世帯向けの住宅での新生活を始める運びとなったのです。

結果的には結婚が条件の停止条件付契約となったような売買契約でした。