不動産売買は高額な取引となり、売主買主ともに金銭的、精神的に大きな負担となります。そのため、契約を解約する場合には原則として違約金が発生することになります。裁判など面倒な手続きを省略するために、通常は売買代金の10~20%の違約金という契約条項になっています。

破れた契約書のイラスト

民法では3つの理由が定められています。契約の相手方の債務不履行による解除、手付金による解除、そして担保責任による解除の3つです。これ以外については契約の中で当事者同士で定めることになりますが、相手方が履行に着手していた場合には違約金が発生する場合があります。

債務不履行とは、例えば買主が中間金等の支払い義務を履行しないなど、手付金による解除とは買主側からは一定期間内であれば、手付金を放棄して解除することができます。担保責任による解除とは、契約内容と大きく異なるなど、いわゆる契約不適合による解除となります。

手付解除については双方ともに金銭的負担をもって解除となりますが、再考する期間として、通常は1~2週間の解除期限が定められています。その他の解除については、原則相手方に履行を催促することになりますが、明らかに続行が難しそうな場合は即刻解除となることもあります。

その他、当事者同士で定める解除条項として多いのが、買主側がローンを利用して購入する場合にそのローンが不可となった場合には解除とする条項です。ただ単にローンを止めてということではなく、通常は金融機関からの不承認となった証明等がなければいけません。

ローン特約という条項ですが、これについても手付解除同様にいつまでもというわけではなく、通常は契約から1ヵ月程度の期間が定められていて、それまでに金融機関から融資の承認を取付けなければいけません。期限を過ぎると違約金が発生することになります。

不動産の売買は大きな取引です。契約後に大きな問題が起こらないように信頼のおける仲介会社に依頼するのはもちろん、ご自身でも解除条項についてはしっかりと確認しながら進めるようにしたいものですね。