不動産を購入する際には多くの方がローンを利用します。通常は金融機関等に事前に相談して問題なくローンが利用できることを確認してから売買契約を締結します。その後、売買契約書を金融機関に提出して審査のうえ承認が得られれば代金の支払い準備にかかります。

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金融機関での事前審査を無事通過すればほとんどのケースでローンの承認は得られます。それでも売買契約の締結後に万が一ローンの承認が得られなかった場合に備えて、契約を解除することができる特約、いわゆる融資利用の特約が売買契約書に明記されているのが通常です。

不動産会社によっては故意なのか意識していないのか、融資利用の特約がない売買契約書を利用することがありますが、解除できないとなると契約上は何としてもお金をかき集めるか、解除となると契約違反による損害賠償金を支払う顛末となります。

ローンは大丈夫だろうと安易に考えることなく、特約料が発生するわけでもないのでここは万が一に備えて特約を明記してもらうようにしましょう。不動産会社が間に入っていれば安心ですが、直接売主と契約を交わす際には契約内容を十分に確認するようにしましょう。

この融資利用特約にはいくつか種類があります。不承認の場合に解除ができる解除権型、不承認の場合に契約が自動的に消滅する条件型、それと融資が承認となった場合に契約の効力が発生する停止条件型の3つです。

通常は解除権型が採用されていますので、万が一融資が不承認となった場合には、売主にその旨を金融機関等の証明をもって通知しないと効力が発生しませんので注意が必要です。仲介会社が介在している場合には仲介会社から通知することになります。

故意に引き延ばしたり通知を失念していると、契約解除ができずに損害賠償に発展してしまう恐れもありますので、ここはしっかりと確認しておきたいですね。このような心配を払拭するには、条件型の融資特約が有効と思われますが、実務上は解除権型が多いので注意しましょう。