金融機関への支払いが滞りその返済や関係債権者への債務支払いのためにやむなく不動産を売却するということで、売却価格の査定を依頼されました。裁判所による競売になる前に金融機関や管財人弁護士と話し合いをして売却先を検討するいわゆる任意売却物件のお手伝いです。

庭

競売や任意売却になる物件の多くはしばらく管理がなされていないことにより建物の劣化が進んでいるものです。支払いが滞っている状況下で物件の管理に費やすお金などあるはずもなく、そこに居住していればまだしも空家になっている物件はかなり劣化が進んでいます。

今回の物件も建物の劣化がかなり進んでいました。時々利用する道路沿いの物件でしたが、人気もなく閑散とした雰囲気でしたので今まで全く気付きませんでした。あらためてここに建物が建っていたのだという感じです。

建物の評価は築後50年以上ということも含めてほぼなしといったところです。道路沿いの間口の広い土地でしたので土地については多少は評価額が出せるだろうということで役所調査をはじめ査定業務にかかることにいたしました。

敷地の一部が実際に宅地として利用することができない斜面部分いわゆる法地となっていますのでその時点で最低3割減の評価とします。道路沿いということで騒音も多少あったり、さらに土砂災害警戒区域に指定されていることからかなり厳しい査定価格となりました。

建物は経年劣化も目立ち作業場を含む建坪が200坪以上ありますのでそのままでの利用は見込めないという判断の下での評価となります。そこで解体費用を加味すると実質評価としてはマイナスとなってしまいますので実務的にはゼロ評価としました。

今後は他の査定物件と総合して売却に向けて動くことになると思いますのでその際には不動産会社として売却の糸口を探るお手伝いをさせていただきたいと思います。