松本市は信濃川水系の河川が多く流れています。河川沿いの土地は洪水の心配はあるものの、見晴らしが良く開放感があり、風通しや日当たりも良いことが多いので、住宅用地としては人気もあり浸水想定区域の外であれば価格も相場並みか高い場合もあります。

松本市女鳥羽川

洪水については松本市の最新(R6年4月)のハザードマップを見ると、例えば女鳥羽川沿いの土地でも、川の流れが真っすぐで比較的流れが早い場所などは、治水工事が継続されていることもあって、100年に1度程度起こる大雨では浸水想定区域に指定されていない場所もあります。

昨今の大雨による洪水被害でもハザードマップで示された危険範囲の信憑性が再認識されていましたので、川沿いの土地を検討する際にはハザードマップを検証して、危険度を十分に確認した上で購入を検討するようにしましょう。

松本市女鳥羽川付近ブルーマップ

河川沿いの土地を検討する際には、河川法による縛りも検討する必要があります。例えば、河川区域(敷地との境界から18m以内)で造成工事や建築工事を行う際には、河川管理者(行政機関の建設事務所等)の許可を受けなければなりません。

許可を受けて工事が完了した後は、一時利用等ではなく常時通行や車両等の出入口で河川区域部分を利用する場合は、利用形態等によって金額は異なりますが、利用する部分の面積に応じて180円~200円/㎡の年間利用料(占用料)が継続的に発生します。

河川敷を通行していると、河川区域部分と思われる場所を駐車スペースとして利用していたり、植栽がなされていたり植木が置いてあったりしますが、法律に則って河川法の許可を受けているとは思いますが、河川区域との境界が微妙なところもあり実際のところ曖昧な部分もあります。

ただし松本市であれば合同庁舎内にある松本建設事務所の維持管理課に相談すれば、微妙な場合も通行するなら必ず許可を受けてくださいと言われますし、無許可で駐車していれば違法駐車と指摘されます。また無許可で植栽等を植えていれば撤去するようにと言われてしまいます。

河川敷には道路があるケースもありますので、工事をする際には道路管理者の許可も必要になり、許可権者が異なる場合も多く申請が複雑です。川沿いの土地の購入を検討する際には許可権者へのヒアリングを行い建築に支障がないかしっかり調べる必要があるでしょう。

また松本市で良好な景観の保全や誘導を行う景観計画・景観条例を補助するために、屋外広告物条例が制定されています。橋やトンネル、街路樹といった公共物などと同様に、河川沿いでの広告看板等の設置も禁止されていますので注意しましょう。